ドラクエⅪ 作り話 3
ネタバレ多々含みます。
ご注意下さい。
捏造・嘘だらけの創作です。
ホメ沼から這い出るために、知り合いにDSソフトを貸したため、時系列・セリフ等、おかしいところが多々あります。
結果、より深くはまり、今に至る。
お気軽に雰囲気で読んでいただけば。
始祖の森を抜け、もう少しで祭壇というところで女神像を見つけた。
今日はここで休んで、明日祭壇へ、そして大樹へ向かう。
明日に向けて、早めに夕食を済ませ、みな横になっている。
眠っているようだ、すやすやと寝息が聞こえてくる。
「とうとう私達の役目が果たせますわね、お姉さま。」
セーニャがこちらに身体を向けて言う。
キャンプで眠るときはだいたい隣だ。
「…そうね。」
セーニャは少しだけ興奮しているみたい。眠れないのだろう。あたしはひどく落ち着いている。なのに、眠れない。なぜだろう、勇者を大樹に導く、それがあたし達の宿願だった、それがもう目の前なのに。
押し寄せてくる感情、なぜ今?
「お姉さま?」
「…………ねぇ、セーニャ。」
「はい、お姉さま。」
「もしあたしに何かがあって、あたしがいなくなっても、あんた一人で勇者を守るのよ。」
「えっ。」
セーニャの顔が曇る。
「どうしてそんなことを…。」
「あんたなら大丈夫、ちゃんとイレブンとみんなを守るのよ。」
「いやです。
お姉さまはいなくなったりしません‼」
そう言うと、ぷいと背を向けられた。
ベロニカは小さなため息をついた。
双賢の姉妹、あたし達につけられた称号。
みんなはあたしを『生まれつき』の大魔法使いと呼んだ。
それに比べて、その片割れのセーニャはいつもグズで、本当に何もできなくて、いつもあたしのあとを金魚のフンみたいにくっついて歩いてた。
そんなセーニャが可愛くて、守ってあげたくて。
たまにちょっと鬱陶しくて意地悪したりもしたけど、それでもあたしにくっついてくるセーニャがやっぱり可愛くて、守ってあげたくて。
なのに、
いつからだろう、そんなセーニャにこんな感情を持つようになったのは。
魔法使いはやっぱり魔法使いだ。
攻撃だけでは人は守れない。
だからあたしは必死で回復系の魔法を覚えようとした。
たくさんの魔導書を読み、魔力が尽きるまで練習して。
『生まれつき』なんかじゃない。
他の魔法だってそうやって覚えたのだ。
呪文には適性がある。
それはわかっていた。
わかっていたけど。
あたしがやっとのことで覚えたベホイミをあの子は、セーニャは、何の苦労もなく易々と唱えたのだ。
産まれたときから、当たり前のように使えたのだろう。使う機会がなかったから使わずにきたのだ。あたしがいつもあの子の前にいたから。
セーニャのことは大好きだ。
それに嘘偽りはない。
本当に一人ではいられないのは、
あたしなんだ。