ドラクエⅪ 作り話 11
ネタバレ多々含みます。
ご注意下さい。
捏造・嘘だらけの創作です。
自己満足以外の何物でもない。
宴が終わり、勇者達も休んでいるようだ。
ホメロスが焼き払ったイシの村の人びとも、やっと牢から出してやることができた。
勇者からは礼を言われたが、当たり前のことをしただけのことだ。
「何故あの時、気づかなかったのだろうな。」
眠っているホメロスに話しかける。
村を焼き払い、村人までみな殺しにせよなどと、今から思えばあの時すでにホメロスは魔に取り込まれていたのだろう。
苦しいのだろう、眉間に皺を寄せている。それを指で伸ばしながら、こうやってホメロスに触れるのはいつ以来かと考える。
まだ子供の頃、特に、俺がソルティコに修行に行くまではいつも一緒だった。王から賜った揃いのペンダントを胸に、二人でこの国を守って行くのだと、二人ならできると信じていた。
互いに大人になったのだ。子供の頃のようにはいかない。互いに地位のある立場だ。そして何より俺はいつだって、たとえ言葉を交わさずとも、顔を合わさずとも、ホメロスはいつだって近くに、俺の隣にいるものだと思っていたのだ。
「俺は馬鹿だな。」
自分の都合のいいように思っていただけなのだ。
「まて、よ。」
ユグノアの悲劇の後、ホメロスは王の様子がおかしいと、何度か言ってきた。確かに王は変わった。以前の王の慈悲深さはなくなり、家臣にも魔物にも厳しくなった。あの後に粛清された者もいる。ただそれも尤もな理由があってのことだ。
本当にそうなのか?
今思えば、ホメロスからそう言われてもまともに取り合ったことなどなかったのではないか?王に限ってそんなことがあるはずがない、王はいつだって正しい、と。ホメロスの話など聞かず、自分の、何の根拠もない思い込みだけで。
「まさか………。」
大樹で、意識を失いそうになりながらも、ホメロスは、『魔に落ちた』ホメロスは王に助けを求めた。そのホメロスを王は……。
「ホメロスを頼む。」
何かあった時のために、と部屋の外で待機させていた兵士に告げると、俺は王のもとに向かって走っていた。
勇者が休んでいる部屋の様子がおかしい。
中に入る。
そこには王が、いた。
いや、王ではない、何かがいた。