ドラクエⅪ 作り話 14
ネタバレ多々含みます。
ご注意下さい。
捏造・嘘だらけの創作です。
自己満足・ファンタジー。
三人は、なかなか出てこない。
何を話しているのだろう。
グレイグさんがしびれを切らせ、扉に近づこうとする。
なんだか辺りが暗くなったような…。
兵士が走って来る。勇者の星が地上に落ちてきている、というのだ。おじいちゃん達も中から出てきて、みんなでバルコニーに上がる。
勇者の星が落ち、黒い太陽があらわれた。預言者によると、邪神が復活した、という。
僕達の旅はまだまだ終わらないようだ。
グレイグさんは僕達と共に行きたい、勇者の盾となろう、と言ってくれた。心強い。ちなみに、みんなには以前の世界でグレイグさんが仲間だったことは言っていない。そこまで話している時間がなかった。でもまぁ、言わなくてもいいだろう。そしてそれよりも………。
「ホメロス、お主も行くのじゃ。勇者を助け、世界を救って欲しい。よいな?イレブン。」
「あたしからもお願い。みんな、ホメロスを仲間にして欲しいの。」
おじいちゃん、ベロニカ!
「…………。」
ホメロスさんは、何も言わない。
おじいちゃんはみんなに向かって続ける。
「王と話して、ホメロスのことはわしが預かることとなった。今のホメロスに必要なことはまず世界を知ることじゃ。広い世界を、な。ホメロス、何も言わないということは、承諾したことととるが、よいな?」
「私は、嫌です。」
セーニャが口を開く。ベロニカを見つめる目は悲しげだ。
「なぜです?お姉様。この者はお姉様をこ、ろ」
あわててシルビアさんが、セーニャの口を押さえる。
「グレイグ、ホメロスちゃん。悪いんだけど外してもらえるかしら?」
二人は僕が時を遡ってきたこと、ベロニカが死んだことは知らない。今は知らせるべきではないだろう。
「ホメロスよ、身体をしっかり休め旅に備えるのじゃ。己の身を消そうなどとはゆめゆめ考えるでない。グレイグ、ホメロスに聞きたいことがあるかとは思う。だが、今は休ませてやってくれ、頼んだぞ。」
おじいちゃんの言葉にグレイグさんは頷き、ホメロスさんは俯いたまま、二人はその場を後にした。
「お姉様、なぜ?」
セーニャは悲しげに言う。
「私は、お姉様を死なせたあの方を許せないのです。それなのにお姉様は一緒に旅に出ようと、仲間として共に戦え、とおっしゃるのですか?」
「セーニャ……。」
僕は ベロニカが死んだ後のセーニャを知っている。何も言えない。
でもベロニカは凛として続ける。
「ねぇ、セーニャ、あたしを見て。あたしは今生きてるわ。あいつを許して、とは言わない、許せなかったらそれでもいい、でも一緒に連れて行って欲しい。あいつを今のままで放っておけない。」
「何故?お姉様はそこまで……。」
「じゃあこうしようぜ。」
ん?カミュ?
「とりあえず、あいつら二人を連れて行く。あくまでもとりあえず、だ。セーニャに限らず、俺達の中で誰かが無理だと思えば、仲間から外れてもらう。それでどうだ?」
「カミュちゃんてば、いい考えだわ。」
「そうね、私もそれがいいと思う。」
シルビアさんとマルティナが賛成する。
「さて、期間は、一ヶ月ってとこか、な。」
「いえ、2週間ですわ。」
セーニャが訂正する。
「ありがとう、セーニャ。」
ベロニカが微笑む。
ってみんな、僕の意見聞いてないじゃん!
もちろん僕も賛成!